学生心得

鍼灸学校に入学してから毎日が楽しくて仕方ない。おそらく私の適性に合致している学校なのだと思う。

その学生生活を進めていくにあたって自分を戒める「こうすべき」との心得を考えた。

その最大のポイントは教科書を基本書とし、その徹底理解に努めること。私のこれまでの人生経験において「基本の重視」というのは極めて重要な項目だ。

その基本の徹底理解のために、入学よりも一足早く弟子入りした鍼灸の師匠のところでの週一回の修行は一先ずお休みさせていただいた。

本来、それは資格を所持してこれから開業しようとする鍼灸師が行う修行であるから私には早すぎた。卒業してからあとの実務を見ることが出来て就学へのモチベーションを高めることに繋げられたことは大きいが。業界の名門校ばかり出ている兄弟子たちには暫しの別れを告げて学業に専念したい。

また、それとは別に月に一度通っていたT先生の塾も今月末の特別講座を最後に資格を取るまではお休みしようと思っている。

そこも既に開業されてる先生や学校で教えている先生が集まっているところであるから私にはまだ早い内容だとも言える。

鍼灸学校で教えられている内容は文科省が決めてるのか経済産業省で決めてるのか、それとも東洋療法学校協会で決めてるのか分からないが、どちらにしても業界としての大局的なプランがあるのだと思う。

なるべく、そうした意向に沿う形で極力様々な研究会や学会には行かないように努めたい。私の場合、各種の研究会などに足を運び始めるとそちらに熱中してしまい「基本の修得」そして「国試」という本筋を忘れてしまいかねない。

そうした深い探究は卒後の楽しみに取っておいて在学中は深入りしない!

例えば昨日も陰陽五行論の研究書を検索していて小林信明井上聡らの面白そうな研究書の存在を知ったが、卒業するまでは繙かない。

あくまでも教科書中心で、それもなるべく各教科をリンクさせずに別のものとして学ぶ。

特に私のような元々が理系の人間は東洋医学概論や経絡経穴のような伝統医学を科学化しエビデンスあるものとしたいと望みがちだが、それもしない。「鍼灸の科学化」それは資格を取るまで忘れることにする。

鍼灸理論や経絡経穴論を解剖学や生理学などで基礎づけようともしないよう努める。

どっちみち資格を取って実務にあたるようになれば科学化しようとしてしまうのだから、在学中は敢えてしないように意識する。

あらためて述べるまでもなく鍼灸学の修得は「独学」は不可能なのだから学校の先生の指導のもと、何十年も生きてきた自分の適性も考慮しながら学びを進めていこうと思う。

まだ3年間の学校教育全体が見えない・分からない現段階での方針だから、授業が進行していって頭が教科書理解に慣れ少し余裕も出てきたならば多少の方針転換も可能かも知れず、その意味では学生心得も不変の固定したものではなく時期により変化し得るものかも知れないと想定はしておきたいが。

 

つづく