カオス…

特に自分の職業に直接つながってくるわけでもないが「なんとなく」の直感的な興味で関わっていることはいくつもある。

それがスティーブ・ジョブズの言う「結ばれた点と点」として論点が顕になってくる日がくるのか否かさえ分からないけれど、最近は波多野誼余夫さんの本に魅力を感じて読んだりなんかしている。

その発端は「教授-学習過程論」という教育プロセスを扱った本を波多野さんが書いていると知ったからだが、その波多野さんが東大の教育学部で心理学を専攻した「教育心理学」という領域をご専門としていたことを知ったのはつい先日のこと。

教育における「過程論」というものへの関心から調べ始め、日本の書名で「教授-学習過程論」なる名称が見えてくるのは官見内では1985年の伊藤信隆さんのものからのようにみえたが、英語での「The teaching-learning process theory」は少なくとも1976年にアメリカの教育学者が書いていることを知る。

そんな折、波多野さんの『感情と認知』を購入。
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この2002年の放送大学のテキストには、それまで心理学の中でも別々の領域として研究されてきた感情と認知の密接なる相関関係が説かれていて、日本でそれが研究され始めたのは1980年代初めらしいとされていた。

恐らく教育という分野における過程論というのは互いの知的な発展が感情面の相関関係に影響されることを踏まえた教育心理学としての内実を有しているのだろうと考え…

そういえば先日ぶらりと立ち寄った本郷での教育心理学会のシンポジウム「本物の自尊心を育む」では自尊心を専門の心理学用語では自尊感情と呼ぶようなこと言っていた。

シェーラーないしは現象学の愛の哲学も、生きる動機を求める人生哲学もしくは死生学も、あるいは心の哲学の情動論も、このあたりに核心があるかも知れない。

カオスの道程は続く…