陰謀史観?

私が一目おき、また信頼もしている経営者が陰謀史観を信じているという話を聞いて当初はビックリした。

さらに彼が陰謀史観が正しいことを客観的に理解できるというセミナーに誘ってくれて、講師は海外の日本大使館で重役を務めておられた方だという。

そこまで言われては「本当?」なんて襟も正してみたくもなるが、正直私は人間の活動において「はかりごと」なるものは常について回ってくるものだと思っているから、史実として史料に伝えられている大義名分に沿ったストーリーとは裏腹の世間体的に表には出来ない裏の謀(はかりごと)によって実際に事がなされ持続しているような事例はあるのだろうと想像している。

だからイワユル「あなたのためだよ」なんて謀られて自分の都合の悪い状態にされたまま神や仏を信じて暮らしていたなんて事例もあるのだろう。

そんな実際に口にしている言葉とは異なった「腹の内」を持った人間なのだから、他者が目にするであろう史料には己に都合の良い謀を大義名分で隠していることも有り得ると考える。

そんな「陰謀史観」なるものは、歴史は人間の観念によって動かされ、その観念には本音と建前という二重性があることを理解している人物が着想したものに違いない(笑)

例えば平安時代に源氏や平氏が朝廷の配下の武士として蝦夷を攻めて支配下に収めた史実に何か正当なる意味があるかといったら恐らくは無く(笑)、単に自分たちの利益のために支配下にして年貢を納めさせたいという「謀」だったのではないか?

だが、そこに古事記日本書紀をもってきて朝廷の天子さんが如何に偉くて従うべき者であるかをイデオロギー教育したとしたならば、そこには楽して儲けたいという本音を隠した謀がある?

陰謀史観とは、そうした史実の裏に隠された関係者たちの本音を読み取ろうとする意識なのかも知れない…

 

 

つづく