理性…?

休みの日にたまたまNHKの高校講座「物理基礎」を見た。

ちょうど慣性の法則の説明をしていて、先生の川角博さんが物理学者らしいスーツ姿や白衣でなくイワユルブルーカラーの作業員姿なのが何気に心を惹く。

「新たに力が加わらなければ、動いてるものは動き続けようとし、止まっているものは止まり続けようとする」という慣性の法則で、現実には宇宙空間であっても他から力が加わらない環境など無いことに共演者の斉藤由貴さんが「そんな法則が役に立つのか?」と述べたのが印象的で。

先生の川角さんが、「実際にはないけど、他の全ての現象や法則のベースになる法則」だと説明したのも、また印象的で。

十代の頃に物理系に精出していた私からしたら、このことは第二の天性の如くに頭に染み付いているはずなのだが、久しく離れて人文学系に探りを入れていたら、なかなか昔のようには働き出さない。

まあ、まったく別の分野に傾注している証左で良いことなのだが、最近読んでいるクロンバッハの『核時代のヘーゲル哲学』に書いてあった「理性は悟性にのみ関わり対象に直接関わらない」という辺りを想起し、最近読んでいたものが現象を直接あつかうものだったことを改めて意識した。
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ファイヤアーベントの『理性よ、さらば』を注文したばかりなのだが…やはり「理性」はニュートン

 

 

つづく